松本零士さんは、2023年2月13日に急性心不全のため東京都内の病院で死去したことが、20日に東映により発表されて、享年85歳でいらっしゃいました。
葬儀は近親者のみですでに執り行われ、後日お別れの会を予定しているそうです。
「ヤマト」とそれに続く「銀河鉄道999」は、シリーズ化され、宇宙をテーマにした「松本アニメ」は「愛と平和」軸に、子供から大人まで巻き込む社会的ブームとなっていましたし、タイムボカンシリーズも本当に愛されていましたよね。
松本零士さんは長年にわたり日本のアニメ界を牽引してきたので、いろいろな弊害や苦労も味わってこられていたようです。
今回の記事では、
- 松本零士と槇原敬之は何があった?
- 銀河鉄道999を巡る裁判結果はどうなった?
- 松本零士の世界観は?
- 松本零士は海外でも人気?
などということを紹介していきます。松本零士さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。
松本零士と槇原敬之は何があった?
その裁判になったと言う内容が、2006年、槇原敬之がCHEMISTRYに提供した楽曲『約束の場所』の歌詞のことなのです。
この歌詞の一部が1996年から再開された新展開編『銀河鉄道999』の作中のセリフの盗用であると、松本零士さんは雑誌『女性セブン』で槇原敬之さんを非難したことから始まりました。
その後松本さんはTVにも生出演して、同じことをもう一度伝えていました。
これに対して槇原さんは記者会見で否定しています。
そして槇原さんの公式ホームページで、
「『銀河鉄道999』は個人的趣味で読んだことが無く、歌詞は全くのオリジナルであり、本当に盗作だと疑っているのなら裁判で決着していただきたい」
とはっきり顔を出して世間の前で伝えたのです。
この時点ですごく難しい問題だなと感じますよね。
裁判で松本さん側が盗作だという証拠が示せなかった場合は、CMソングの中止などにより、2,200万円の損害賠償請求も併せて行っています。
これについて松本零士さんトークショーで「男たるもの、負けると判っていても戦わなければならない時がある、一連の訴訟について口頭弁論などに立つ気はない」と話していてすでに負け戦だと踏んでいたのでしょうか・・。
2008年東京地裁で槇原さん、松本さんが口頭弁論のため、初めて顔を合わせ、槇原さんとしては、以下のことを主張します。
- 「泥棒扱いされてもしていないものはしてない」
- 「歌詞の部分は仏教の因果応報の教えから」
- 「謝れば許すつもりといっているが、それは罪を認める行為だ」
そして、反論を聞くこともせずその場から立ち去ったとのことでした。
松本零士さんとしては
- 「このセリフは私の座右の銘」
- 「長く使い、媒体でも講演会でも発表している」
- 「一言、公の場で『すまん』と言ってほしかった」
- 「偶然としても、あそこまで似てるのはありえない」
ということを反論しましたが、本当に難しいところです。どちらかが嘘という感じもしないですもんね。
そして、12月26日、東京地裁は
- 「原告表現が被告表現に依拠したものと断定することはできない」
- 「2人の表現が酷似しているとは言えない」
と依拠性と類似性という著作権侵害の2つの構成要件を認めず、槇原さんに対する名誉毀損を認めて、松本零士さんに220万円の損害賠償支払いを命じる判決を下したのですが、その後双方とも控訴していて、けっこう泥沼化していくんです。
銀河鉄道999を巡る裁判結果はどうなった?
松本零士さんが「槇原さんの社会的な評価に相当な影響を与えた」と陳謝する内容を和解条項として、和解が成立しました。
松本零士の世界観は?
戦争というテーマや抽象的表現としての神学的要素が作品にちりばめられていて、近未来観のようなものも多く表現されている独特な天才肌アーティストな漫画家です。
そして松本零士さんは手塚治氏の影響を強く受けていることを語っていますね。
松本さん自身、宇宙への憧れが強くて、「片道でもいいから俺を宇宙に行かせてくれ」とも言っていて、民間第一号になりたいということも夢だったようですよ。
松本零士は海外でも人気?
松本零士さんは海外でも人気を誇っています。
フランス政府よりその長年の功績を讃えられて、フランス政府はフランス及び世界の芸術と文学分野で貢献した人物を対象とした藝術文学勲章シュヴァリエを受賞されていました。
松本さんに関しては以下も検索されています、ぜひ参考にして下さい!

まとめ
享年85歳で逝去された松本零士さんは、作品に誇りを持っておりまさに人生をかけて漫画を作ってきた方であり、唯一無二の漫画家さんです。
日本のみならず海外でも人気作品があり、日本のカルチャー、サブカルチャーの象徴と言える作品を数々生んでこられました。
日本の各地、世界からも今回の訃報に悲しみの声がたくさん届いています。
松本零士さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。